「リアルダイエット」の要点は、自分の「真の食欲」を感じ取って食べるのを止めることです。しかし、自分の「真の食欲」を把握するのはなかなか難しいのではないでしょうか。太っている人は、元々、自分の食欲が分からなくなって食べ過ぎてきた過去があります。急に自分の「真の食欲」を感じろと言われても、「いつ食べるのをやめたら良いか分からない」と言う人も多いでしょう。しかしこれでは、いつまでたっても食べ過ぎたり、食べ残しを出して捨てたりしなければなりません。どうすれば、「真の食欲」を敏感に感じ取れるようになるのでしょうか?そこで、ここでは私が考案した最も「真の食欲」の把握に有効な方法をご紹介します。それは「分割ダイエット法」です。
料理を大皿に盛るのはやめましょう
さて、「分割ダイエット法」をご紹介する前に、みなさんに質問です。ご家庭では料理をどのように準備されていますか?焼肉や鶏の唐揚げを大皿に山盛りにしていたりしませんか?このような大皿に盛りつけるやり方は、おいしそうですが「リアルダイエット」にはマイナスです。理由は自分の食べた量がわからなくなるからです。たくさん食べた後に、「あれ、今日は食べ過ぎたかな?」などということになりやすいのです。料理を大皿に盛るのはやめましょう。個別の皿に盛れば、最初から「今日はこの量にしよう」とか「前より少なくしておこう」というように、主体的に食事量をコントロールできます。また食べた後に、「今日の食べた量は自分には多かったな」とか「次回はもう少し少なくしよう」とフィードバックにつなげることができます。大皿料理をやめるだけでなく、個別皿に盛る量も一律にせず、食べる人が自分で考えながら盛りつけるようにすると良いでしょう。「分割ダイエット法」は大皿料理の真逆ということになります。
ケーキを八等分して食べてみましょう
では、「分割ダイエット法」の本題に入ります。突然ですが、みなさんはケーキは好きですか?太っている人は甘いものに目がないことが多いですからね。まず大きめのケーキをひとつ準備して下さい。準備ができたら、ケーキを八等分します。そしてこれを一列に並べます。一列に並べるのは、視覚的に確認するためです。準備ができたら、「おいしいかな?食べたいかな?」と自問自答しながら1個ずつ食べて行って下さい。可能なら食べた感想をメモしても良いでしょう。もちろん食べたくなくなったら、途中でやめて下さい。そうすると、同じ味の同じ大きさのケーキなのに、最初の2~3個と最後の2~3個では、自分の「食べたい気持ち」が随分違うことに気づかれるでしょう。前回、書きましたが食欲は食べている間に変化します。分けておけば、途中で食べるのを止めて、冷蔵庫に保存しておくこともできます。もし、分割せずにスプーンで食べ始めていたら、ちょっと多いなと思ったとしても、「もったいないから」と残さず食べてしまったことでしょう。「自分の食欲と相談して食べ進められる」「いつでも途中で止められる」というのが、この「分割ダイエット法」の利点です。ケーキ以外にもバナナなどでも有効です。バナナは1本食べなければならないという決まりがあるわけではありませんよね。逆にブドウなどは、以前から途中で残すということができていたのではないでしょうか?その意味で、アイスクリームもできるだけ小さく分かれているものが好ましいですね。食べる量は自分でコントロールしましょう。
食物をすべて二つに分けて食べましょう
いよいよ「分割ダイエット法」の最も重要な部分です。それは全ての料理、食物を2つに分けるという方法です。たとえば麻婆豆腐を作ったとします。量はいつもと同じとします。でも全部は食卓に出しません。麻婆豆腐を2つに分け、片方だけを食卓用の皿に盛り、残りは保存用の容器に入れます。他の料理、食物も同様です。少ないものは二等分にする必要はありません。食卓に出す量を多くして構いませんが、ある程度は別容器に分けるようにします。食事をいつものように始め、途中で足りなくなったら、保存用の容器から食卓の皿に移すのです。こうすることで、食事の途中でまだ食べたいかを考えるタイミングを作るのです。がまんせずに追加しても構いませんが、やってみると意外に半分で十分だったりします。「リアルダイエット」では、どんな料理、食物もおいしく感じる範囲で止めることが重要です。おいしいと思わなくなっても食べるのは、「ただ太ろうとしている」ということです。この方法で、「そこにあるから食べてしまう」というのを防ぐことができます。以前と同じ量を作ったのに残ったとすれば、残った量は食べずに済んだのです。残せた分だけ痩せられたのです。そして、残った料理、食物は、冷蔵や冷凍保存して、おいしいと思う時に食べれば無駄にはなりません。
まとめ
「リアルダイエット」に最も有効な方法の一つが「分割ダイエット法」です。どんな料理、食物も分割し、半分を食べ、半分を保存用容器に移します。半分を食べ切った時にもっと食べたければ遠慮なく保存用容器から追加して構いません。自分が本当に食べたいか、「真の食欲」を確認してから食べることに意味があります。この方法で、そこにあるから食べるというのを防ぐことができます。保存用容器の料理、食物は冷蔵・冷凍して保存しましょう。無駄に捨てずに安心してダイエットができます。次回、おいしく食べられ、料理を一品作る手間も省けます。「分割ダイエット法」は無駄に捨てず、無駄に太らず、時間もお金も無駄にしないとても良い方法です。